JoJoの奇妙な学園
9.特殊能力についての考察
9−1.スタンドの特殊能力についての考察
スタンドの特殊能力はプレイヤーの想像力によって千差万別ですが、その全てをルールとして説明することはできません。ここでは特に必要と思われる特殊能力について考察を述べることにします。特殊能力の判定は最終的にはGMが行うことを忘れないでください。
○エネルギー操作/物質操作能力
ここでは数々のスタンドの特殊能力の中で最も多くの説明を必要とする、エネルギー/物質操作について説明します。これらの能力を持つスタンドは基本的に以下の5種類に分類されます。
a)スタンドが周囲にエネルギーを発生させ、それを操る。 |
b)スタンド自体が何らかのエネルギー体である。 |
c)スタンドがそのエネルギーに溶け込むことができる。 |
d)スタンド自体が物質と合体したものとして出現し、その物質を強化したり操ったりする。 |
e)スタンドがその物質に溶け込むことができる。 |
これらの能力に特有の能力の使い方として、「そのエネルギー/物質を武器や防具のように扱うことができる」というものがあります。このような能力の使い方はその特殊能力を(スタンドの)武器や防具として用いることができます。このような使い方をする場合は、それぞれスタンドの武器/防具の特殊能力の解説と同様の処理を行って下さい。ただし、この能力は上記の分類の内、cとeには摘要されません。
これらの能力を細かく解説する前に大前提として、このルールにおける「エネルギーと物質」についての定義をしておくことにします。
まず、「物質」とは「液体、気体、個体で構成されたもの」と定義します。そして「エネルギー」とは「物質以外で構成されたもの」と定義します。このような定義におけるエネルギーとは、炎、冷気(氷ではないことに注意)、電気、光や闇といったものが上げられます。これらの定義を踏まえた上で、この特殊能力を説明することにします。
※スタンドの移動に関する補足
スタンドは基本的に重力を無視して移動することができますが、物質と合体したり、物質に溶け込んだりしたスタンドは、移動の際に重力の影響を受けることになります。
1)スタンドが周囲にエネルギーを発生させそれを操る
このような能力を持ったスタンドの代表例として「マジシャンズ・レッド」が上げられます。マジシャンズ・レッドは炎を発生させ、それを操ることができました。その能力は自分が発生させた炎だけでなく、周囲にある炎も操ることができます。このような能力は、そのエネルギーを拳に纏わせて破壊力を高めたり(スタンドの武器として扱う)、エネルギーの塊を投射して対象を破壊したり(スタンドの飛び道具として扱う)、瞬間的にエネルギーを集積させることによって盾や鎧、壁と化したり(スタンドの防具として扱う)することができます。エネルギーを投射したり操ったりする場合、その投射目標や操るエネルギーは視認距離(目で見て確認できる距離)にあるものでなければなりません。
2)スタンド自体が何らかのエネルギー体である
このような能力を持ったスタンドの代表例として「サン(太陽)」があります。サンはその名のとうり炎の塊として出現し、その熱で主人公達を苦しめました。このような能力を持つスタンドはそれ自体が不定形であることが多く、特定の形を持っていたとしても不定形のスタンドと同じ様な射程距離制限を受けます(コラム〜スタンドの姿と射程距離〜を参照)。このような能力を持つスタンドはエネルギーを操るスタンドと同様の使い方をすることができます。そしてそれに加えて「直接的な攻撃には無敵(影響を受けない)」という効果があります。炎を殴っても拳は炎を突き抜けて、炎自体にダメージを与えることはできません。この場合、逆に攻撃した拳の側がダメージを受けることになるでしょう。このような能力を持つスタンドに効果的にダメージを与えるには、そのエネルギーの逆の性質を持つエネルギーをぶつけたり(炎に対しては水や冷気)、そのエネルギーを吸収/相殺するエネルギーや物質を接触させる(光には闇、電気にはアース線など)などの工夫をしなければなりません。
3)スタンドがそのエネルギーに溶け込むことができる
このような能力を持つスタンドは、原作では「ハングドマン」がそれに該当します。スタンド自体は各個たる姿があるにもかかわらず、エネルギーの中に溶け込む能力を持っているというのがこの能力に当たります。ハングドマンの場合、一見、スタンドがエネルギー体の様に見えますが、ハングドマンにはエネルギーを操る能力はありませんでした。このことから、ハングドマンはエネルギー(この場合は光)に溶け込むことができる能力を持っているということになります。エネルギーに溶け込む能力を持つスタンドは、「スタンドがエネルギー体」と同様に「直接的な攻撃には無敵」の効果と、その溶け込むエネルギーの性質による付随効果得ることになります。ハングドマンは光に溶け込み、鏡面に存在できました。そして鏡面から鏡面へ光の速度で移動できました。溶け込むエネルギーによって、どのような付随効果が得られるのかは、GMがバランスを崩さないように判断してください。
4)スタンド自体が物質と合体したものとして出現、その物質を強化したり操ったりする
このような能力を持ったスタンドの代表例として「ザ・フール」があります。このような能力を持つスタンドの特徴として、「直接的な攻撃を受けてもダメージを受けない」というものがあります。ザ・フールは砂のスタンドです。原作ではシルバー・チャリオッツに切られても、スタンドが分散し、ダメージを吸収することによって、本体であるイギーは全くダメージを受けていません。別の例では「ホィール・オブ・フォーチュン(以下FF)」があります。FFは車と合体し、それを強化するスタンドです。FFはスター・プラチナの攻撃を受けて車体がベコベコになりましたが、それは合体している物質である車が破壊されたのであって、スタンドはなんらダメージを受けていません。したがって、その本体であるスタンド使いもダメージを受けていないのです。このような能力を持つスタンドは直接的なダメージを受けることは基本的にありませんが、物理的な影響は受けてしまいます(例、殴られてはじき飛ばされるFF等)。そして例外として、ンドゥールの「ゲブ神」のような水のスタンドの様に合体している物質が特有の弱点を持つ場合(ゲブ神の場合は水なので炎が弱点)、その弱点に対
応した攻撃を受けると通常どうりダメージを受けます。
このような能力を持つスタンドは、エネルギーを操るスタンドと同様に、その物質自体を武器や飛び道具、盾や鎧、壁などとして用いることができます。
5)スタンドがその物質に溶け込むことができる
このような能力を持つスタンドとして、第4部に入って登場した「アクア・ネックレス」が上げられます。この能力自体はエネルギーに溶け込むのとなんらかわりはありません。エネルギーに溶け込むのとの違いは、直接的な攻撃に対しては、物質と合体しているスタンドと同様になるということだけです。
コラム〜レッド・ホット・チリ・ペッパーについて〜 |
第4部に入って登場した強力なスタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー」(以下RHCP)。電気の中に侵入し、電化製品やコンセントの中から自在に出現。電気のあるところならどこまでも本体から離れることができ、その近接戦戦闘能力はクレイジー・ダイヤモンドに匹敵する。一見理不尽に見え、かつ強力な能力を持つこのスタンドを、特別にここで解説することにします。 RHCPの特殊能力を表現するならば、「物質の電気変換」と「電気に溶け込む」能力の2つになります。物質の電気変換能力は見てのとうり、億康を電線に引きずり込んだり、物を盗んできたりということに使っていました。これ自体は「変化」の特殊能力として説明することができます。問題になるのが次の電気に溶け込む能力でしょう。この能力には2つの利点と2つの弱点が備わっています。まず利点の1つとして、電気に溶け込む事によって「本来のスタンドの射程距離を無視する」ことです。本来は10m程の射程しかもたない(であろう)このスタンドは、近接型スタンドの能力を保持したまま遠距離で活動することができます。これに対応する弱点として、「本体とスタンドは常に電気、もしくは電化製品のそばを(基本射程距離を越えて)離れることはできない」というものがあります。もう1つの利点は「周囲の電気をスタンドに集積させることによって、一時的にスタンドの基本能力を上昇させる」というものです。原作では周囲の電気を大量に消費しながら、クレイジー・ダイヤモンドを上回る【パワー】と【スピード】を発揮することができました。これに対応する弱点として、「 電気の供給が無くなるとスタンドの基本能力が著しく減少し、スタンドがほぼ行動不能になる」というものです。原作では計略によって海に落とされ、電気の供給を断たれたばかりか、逆に海水に電気を吸い取られるという悲惨な状況になりました。 これでRHCPがどのような能力を持っているのか、理解してもらえたでしょうか? |
○精神攻撃型の特殊能力について
精神攻撃型の特殊能力は、相手をその状況に追い込むことができれば、ほぼ無敵に近い状況を作りだすことができます。こういったタイプのスタンドは必ずしも精神に対して影響を与えるだけではなく、特定の状況に"陥れる"能力も含むものとします。こういった能力は以下の2種類に分類されます。
a)抵抗が可能なもの
その特殊能力が真価を発揮するためには、相手の基本的な能力(その多くは【自我】)による抵抗を打ち破らなければなりません。この様な特殊能力はそのレベルと相手の能力レベルで対抗判定を行い、勝てばその効果を発揮することができます。ルール上ではこの様な特殊能力は効果自体が少々強力すぎてもかまいません。その特殊能力が抵抗判定を必要とするものかどうかは、その能力から考えてください。
b)抵抗が不可能なもの
この様な特殊能力は、しばしば強力過ぎる傾向があります。この様な特殊能力は特定の条件が満たされればその効果を自動的に発揮できるものなので、この様な特殊能力を持つ場合は、能力の発揮条件をその効果の危険度によって決めるべきです。危険度の高い、抵抗できない特殊能力は、かなり厳しい特定された条件でなければその効果を発揮できないようにすべきです。逆に危険度の低い能力は、少々簡単な条件で効果を発揮してもよいでしょう。危険度が高いということは、その能力が発揮されると、かなりの確率で死亡したり、再起不能のダメージを与えたりするものです。ほとんどが致命的な効果を持つこのような能力の発揮条件を、比較的簡単なものにしたければ、その特殊能力自体にその能力を回避できる弱点のようなものを設定すべきでしょう。GMはルール的なバランスを考えて、その能力を許可するかどうか考えて下さい。この場合、極端な例を持ち出してその能力の弁護をしても、GMはそれにとりあう必要はありません(バランスを極力優先すること)。この様な"状況はめ型スタンド"に対抗するためには、何らかの手段で相手の能力を探りだしておくことが、最善の防御
方法です。
○疲労する特殊能力
あまりにも強力だが、使用するのに条件設定をためらったり、能力を回避するための弱点を設定しにくい特殊能力には、それを使う毎に疲労するというペナルティーをつけることができます。こういった能力は強い精神集中を必要とするものが代表的です。ルール上では「時間停止」能力がそのいい例です。疲労するペナルティーをつける必要のある特殊能力は、疲労したところで、なんらその能力の価値が下がるものではないことがほとんどです。GMはバランスを考えて疲労する点数を決めてください。
○能力増幅について
スタンドの特殊能力として「特定の能力を増幅する」という能力を持つスタンドが出現する可能性があるため、この能力をルールで規定することにします。
「能力増幅」は特定の能力(そのほとんどが本体の基本能力)を上昇させるものですが、増幅した後の能力レベルは「元の能力レベル+増幅能力のレベル」となります。ただし、基本的に能力の増幅はその増幅能力1つにつき、1つの能力しか高めることはできません。増幅能力は対応する能力毎に別々の特殊能力として設定する必要があります。例えば【要領】と【機敏】を両方増幅したければ、「【要領】増幅」、「【機敏】増幅」という特殊能力を別々に持たなければならないということです。ここでは、基本能力を上昇させた場合のルールを説明します。
a)【感覚】の増幅
【感覚】を増幅すると、普段では感知できなかった些細なことまで感知できるようになります。よって捜索能力や探知能力が上昇することになりますが、【感覚】を増幅する能力は五感の内、どの能力を増幅するか限定しなければなりません。基本能力の増幅のうち、この【感覚】を強化するのは最も多彩なバリエーションがあります。単に視力を強化する「超視力」といった感覚増幅の場合、その効果はスター・プラチナの視覚の様に望遠や顕微鏡の様な効果を得ることができます。また、サイバーパンクRPGの経験者ならば、赤外線視力やノクトビジョンといった強化の仕方を思いつくかもしれません。スタンド能力によって増幅された【感覚】は通常の人間の【感覚】よりも遥かに優れたものになります。例えば第4部になって登場した「ハイウェイ・スター」は「超嗅覚」の【感覚】増幅能力を持ち、そのスタンド使いは臭いだけで他人の感情を言い当てたりできました。増幅された【感覚】による判定はよほどの事がない限り、ダイスを振る必要はありません。感覚情報はそれ程までにしっかりとした情報なので、GMはそのようなキャラクターには判定なしで情報を与えてあげるべきでしょう。
増幅された【感覚】で判定が必要な場合は、増幅されていない感覚では感知不可能なことがほとんどです。
感覚の増幅は基本的に瞬時に切り放しが可能です。したがって強化された感覚に対しての刺激攻撃(超嗅覚に対しての悪臭等)では基本的にダメージは受けないものとして下さい。
b)【自我】の増幅
このルールにおいて、【自我】というのは集中力であり、意志力でもあります。スタンド能力によって増幅された自我は精神的な攻撃に非常に強固になります。ただ、他の能力増幅と違い、自我の増幅には次の様な欠点があります。スタンド能力で【自我】を増幅した場合、本来の自我が拡大されます。よって、秘められた欲望が表に出やすくなり、頑固な性格がさらに頑固となるといったことになります。【自我】を増幅されたキャラクターが何らかの衝動を持っていた場合、その衝動を抑えることができません。この場合、キャラクターの衝動を抑制したければ、そのキャラクターの増幅された【自我】とそのキャラクターの【共感】で対抗判定を行います。【共感】の方が勝てば衝動を抑えることができますが、【自我】の方が勝った場合は衝動のままに行動してしまうことになります。
また、スタンドの特殊能力で【自我】が上昇してもスタンドの能力には影響しません。
c)【共感】の増幅
このルールにおいて、【共感】とは感情であり、感受性の豊かさでもあります。【共感】を増幅したときの利点として、まず印象の変化が上げられます。他のゲームのルール的に表現するならば、「魅力や外見の能力値が上昇した」というものです。他人からすれば具体的に言葉に表現できないような魅力を、その【共感】を増幅されたキャラクターは発散する事になります。一般に【共感】が4、もしくは5のキャラクターは(印象が)そこそこ魅力的な人物であるといえます。【共感】が6以上のキャラクターは基本的にかなり目立つ人物で、学校の生徒ならば、アイドルの様な存在になりやすい人物であるといえます。スタンド能力で【共感】を増幅した場合、それと同様の効果があると考えて下さい。
【共感】を増幅した場合、キャラクター的には感受性が増幅されたことになり、他人の感情の影響をより受けやすくなります。【共感】を増幅されたキャラクターは他人の感情に対して非常に敏感になり、一部では非常に涙もろくなることでしょう。
d)【要領】、【機敏】、【体力】の増幅
これらの能力の増幅の利点は説明をするまでもないでしょう。【要領】を増幅すれば物事をより正確に処理することができ、【機敏】を増幅すればより素早く行動することができ、【体力】を増幅すれば力仕事を楽々とこなすことができるのです。
この3つの能力の内、どれか1つでも6以上(元から6以上なら10以上、元から10以上なら15以上)になっている場合は、1ラウンドに1点ずつ疲労していくことになります。この3つの能力は増幅しすぎるとそのキャラクターの肉体に負担をかけることになるのです。この疲労するルールはそれを表現したものです。
また、増幅した能力が6以上(元から6以上なら10以上、元から10以上なら15以上)になっている場合、【要領】が増幅されている場合は、いい加減に物事を処理することはできません。同様に【機敏】が増幅されている場合ではゆっくり動くことは困難ですし、【体力】が増幅されている場合は力仕事に関しては手加減することが困難になります。この困難さの度合いがどの程度のものであるのかは、その増幅された度合い(レベル)とその場の状況によってGMが判断して下さい。
コラム〜特殊能力の強化と限定〜 |
いくつかの特殊能力は、様々な強化や限定を行うことによってより特徴的な特殊能力にすることができます。 まず、能力が普通に考えても強力な場合、GMはその能力がゲームバランスを崩すようだと判断すれば、その強さに見合った限定をするべきでしょう。特殊能力の例の中では一番顕著なものが「時間停止」能力でしょう。この能力は1レベルごとに0.5秒の時間を止めることができますが、0.5秒止めるごとに1点疲労するという欠点(限定)があります。また、目標を一瞬にして凍り付かせるという能力の場合、スタンドが目標に触れなければならないといった限定の仕方もあります。 特殊能力に特殊な効果を加えることをこのルールでは「強化」とします。特殊能力を強化する場合は、その強化と1対1の割合で限定を施さなければなりません。例えば、一定の範囲内に衝撃波を叩きつける能力の場合、通常のスタンドの飛び道具が1つの目標にしか命中しないのに対し、この能力には「範囲にダメージを与える」という強化がなされています。この場合、この特殊能力には「範囲を狭めて攻撃することができない」という限定がつきます。この特殊能力を回避するためには−1レベルのペナルティーをつけて回避しなければなりませんが、範囲を狭めて使用できないため、人質を盾に取っている犯人の頭だけを狙撃するような使い方はできないということです。 プレイヤーはこのように自由に自分のスタンドの特殊能力を強化・限定する事ができますが、GMはその強化と限定の仕方がバランスよく設定されるように注意してください。 |
9−2.集団型スタンドについて
ここでは何かと処理が複雑になるであろう集団型スタンドの行動について解説することにします。
○集団型スタンドの攻撃とダメージ
a)命中判定
集団型スタンドは何らかの行動を行うとき、個々が別の動きを行うためには少なくとも本体がスタンドを直視できる距離にいなければなりません。集団型スタンドが攻撃を行う場合は、攻撃するスタンドが一斉に同じ様な動作を行います。その行動は一斉に飛びかかるのが最も一般的ですが、数が多いため、比較的単純な行動しか行うことはできません。
集団型スタンドの直接攻撃は多数で一斉に飛びかかるものなので、攻撃が命中したかどうかではなく、防御側がいかに効果的に防御できたかどうかが問題となります。よってこのような攻撃を行う場合は攻撃者は判定を行う必要はありません。攻撃の目標となったスタンドは瞬時にバリアを張るといったような行動ができれば、この攻撃を防ぐことができます。連打攻撃ができるスタンドならば、「連打受け」を行うこともできます。この場合、スタンドの【正確さ】で規定回数分、ロールを行い、その出目を全て合計し、その数だけ集団型スタンドをたたき落としたことになります。連打の合計が攻撃する集団型スタンドの合計以上ならば、完全に防御できたことになりますが、そうでなければ攻撃は命中したことになります。
b)被害判定
集団型スタンドの攻撃によるダメージは、最終的に襲いかかることができた数によってダメージを決定するレベルが違います。以下の表を参照して最終的に攻撃に成功した(防御されなかった)数からダメージの決定に使用するダイスを決めて下さい。
☆集団型スタンドの打撃点算出表 | |
攻撃が成功した数 | 打撃点算出のレベル |
30未満 | 0 |
30〜59 | 1 |
60〜89 | 2 |
90〜119 | 3 |
120〜149 | 4 |
以後+30体毎に | さらに+1 |
全て成功 | スタンドの【パワー】+集団型のレベル |
○集団型スタンドの実質被害
集団型スタンドは、1体1体が破壊されてもその本体に直接的なダメージが行くわけではありません。しかし、集団型スタンドが30体破壊される毎にその本体は1点の疲労ダメージを受けます。この疲労ダメージはスタンドを破壊されたことによって気分が悪くなっていると解釈してください。もし、集団型スタンドが全て破壊されれば、その本体はその集団型のレベルと同じ点数の疲労ダメージを受けているはずです。
集団型のスタンドが全て破壊されてしまうと、一時的にスタンド能力を失うことになります。破壊された集団型スタンドは、1日に30体の割合で復活してくるものとします。
9−3.特技とスタンド
本体が持っている特技のいくつかは、スタンドが活動する時の修正として効果があります。感情や性格の特技でくるボーナスは、スタンドのほとんどの判定に加えることができます。それ以外の運動や知覚、作業に関係する特技は、スタンドがその特技を使用可能な姿をしていれば、ボーナスとして適用することができます。
○戦闘技術のスタンドへの反映
スタンドが完全な人型をしていれば、武術や各種我流の戦闘技術の特技によるを加えることができます。そうでなければボーナスを加えることはできません。例えばデス・サーティーンのように、頭と胸と腕だけしかないようなスタンドでは、スタンドが剣をもっていて、本体が剣術を学んでいたとしても、ボーナスは加えることができません(なぜなら、ちゃんとした人型をしていないからです)。格闘技によるボーナスはスタンドがその格闘技の流派で可能な動作を行う限り、被害判定の際にもボーナスを加えることができます。連打攻撃は人間では行うことができませんので、その時の攻撃や防御、ダメージにはボーナスを加えることはできません。
○特技「スタンド操作」
これは原作の中での「〜非常によく訓練されたスタンドだ。」というセリフを再現するための特技です。この特技は「スタンドの動作に関する全ての判定」に加えることができます。この判定の基準は結構あいまいですが、スタンドの【スピード】、もしくは【正確さ】で判定する場合に、通常の特技と同じボーナスがあるものだと考えてください。このボーナスは攻撃や防御、エネルギーを投射するときの命中判定などには加えることができますが、【パワー】による直接的な被害判定など動作に直接関係のない行動には加えることはできません。スタンド操作の特技はスタンドの動かし方にボーナスを加えることができる特技であって、スタンドの【パワー】を増大させる特技ではないことに注意して下さい。
9−4.本体とスタンドの複合行動
ここで説明する複合行動というものは、本体とスタンドが同時、もしくは連動して行動する行動方法を指します。代表的なのは近接型スタンドの射程外にいる相手を攻撃するために、本体は踏み込んで(走り込んで)間合いを詰め、スタンドが攻撃するというような行動です。また、本体がジャンプし、スタンドがジャンプした本体を捕まえて飛ぶといった行動や、本体が物を持ち上げつつ、スタンドがそれを補助して持ち上げるといったことも可能です。このような場合、判定に使用する本体の能力とスタンドの能力を比較し、どちらか高い方に+1したレベルで判定します。ただし、どちらかの能力が0ならばこの+1のボーナスを得ることはできません。